ネット○○派 part444 「インテリのネトウヨ」
ここでいう「ネトウヨ」というのは「ネトウヨと同じことをやっている」という意味で、つまりこのブログでいう「ネット○○派」と同義なんだが、稲葉振一郎も、菊池誠の次のようなtweetをRTしている。
https://twitter.com/kikumaco/status/545561504443936768
消費増税延期で福祉削減てえのは、どう考えても筋が通らんよね。消費増税分は福祉に使うとかいう空手形と合わせると、消費増税したって福祉に回す分は増やす気がなかったってことですよ。財務省に丸め込まれてた人もさすがに気づいてもいいんじゃないかな
https://twitter.com/kikumaco/status/545557680169828352
財務省のやることはなかなか露骨ですね。消費増税できなかったので、福祉に回す金はないと言いたいようだけど、彼らは消費増税したところで福祉になんか回さないのよ。今だって、税収は減ってないんだからさ
消費税増税分の使途は法律で決まっているわけで、こんなことを今更とやかく言うものではないうえ、消費税を上げない場合どうなるかは、最初から分かっていたこと、ではないだろうか。
それになにより、これは「財務省」が悪いのではない。
消費税10パーセントにするかしないかの段階で、それなりの政治家、何より首相本人にどういうことになるかはとっくに説明されていたはずだ。
選挙期間中「消費税を10パーセントにしないので、社会福祉政策に関してこれこれはできなくなります」といった説明をするべきなのは、
が、私は選挙中にそのような話を新聞紙上などで目にした記憶がない。したがって財務省がこういう風に言われる必然性は微塵もない。
さらに、まだどうなるか分からないが、このような政策方針に最終的に承諾を与えるのは、政治家であり議会だ。
「どう考えても筋が通らん」のは菊池誠であって、財務省ではないわけだが、リフレ派をやっていると批判精神を失うらしく、その点においてこれをRTしている稲葉振一郎も同断らしい。
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ネットにおける徒党は、ある言説を中心に人が集まったときに、その人々の間でその言説が循環して、どこまで行っても是認しかされず、批判がなされず、自家中毒を起こすような形になって、先鋭化していくものだ。そのもっともわかりやすい形が「ネトウヨ」だったというだけであり、「ネトウヨ」と同様のことは、どのような言説についても発生しうる。
このようなことが発生するのは、頭がいい悪い、学歴がどう、現在の職業がどうというのは全く関係がない、というのは、この一例からも理解されると思う。
旧帝大の大学教授でも、いざ自分の専門を離れれば、このような次第なわけだ。
つまり、科学的に思考できる、ロジカルに思考できると言った場合、一般的な思考能力を指すと考えられているが、それほど事態は簡単なものではない。現実には、ある特定の対象についてロジカルに処理できる、ものを考えることができるということなのであって、そのような能力を訓練を経て獲得したにすぎず、その特定の対象から外れてしまうときちんと考えられなくなるものなのではないか。
たとえて言うなら、ピアノの名人にいきなりバイオリンを渡して「お前は音楽家であり、しかもピアノの名人なのだから、バイオリンくらい軽く弾けるだろう」と言うようなものだ。もちろん、これは無理な話であり、いかにピアノの名人といえども、練習しないとバイオリンは弾けるようにならない。
ところが、ここに悲劇がある。ピアノの名人にいきなりバイオリンを渡しても、ギコギコと情けない音で弾くしかないので、誰の目にも「この人はバイオリンは弾けない」と分かる。本人にもそれは明らかであろう。
しかし、物の思考に関することとなると、これほど明瞭に能力の差が知れるわけではない。物理学でロジカルにものを考えられる人であれば、当然、他の分野でもロジカルにものを考えられると、えてして錯覚してしまいがちであるし、その当人にもよく分からなかったりする。
これは喜劇と言ってもいいのかもしれないが、悲劇だろうと、私は思う。
だから、肩書や名前に惑わされないで物を読むことが肝要だ、ということになるのではないだろうか。