日本と韓国の隣国関係は難しいものだと思うが、その理由の一つに言語問題がありそうなのは大変に面白い。

 

韓国のテレビドラマを、字幕ではなく、韓国語が分かる人に隣で翻訳してもらいながら見ると、きれいな女優さんがとんでもない罵詈雑言を言っていたりするのがよく分かる。

 

日本でも、今ではあまり悪口の類を言わなくなったけれども、昔はもっと多様な表現があって、日常的に使われていたはずである。私が生活している街でもそうで、子供の時には同級生たちが使う「きたない」言葉を学んで耐性をつけたものだった。

 

とはいえ、韓国語の罵詈雑言を、そのまま日本語に訳すと、普通の日本人はびっくりしてしまうので、 適当に丸めて訳す必要があるのだろうが、しかし悪いことに直訳で意味が通るように見えたり、漢字を使う表現などはそのままになってしまう。同じ熟語の韓国語での使われ方と日本語での使われ方の差を無視したまま「翻訳」されてしまうことがありそうである。

 

隣国・隣人を理解することはかくも難しい、ということなのであって、事情はヨーロッパでも大して違わない。

 

問題は、隣人を理解することはかくも難しいということが自覚されているかどうか、という点に尽きる。これは、日本でも韓国でも、あまり自覚されておらず、せいぜい自分たちの党派を支持する人々の顔色が意識されている程度のようだ。

 

愉快なものだ。