この期に及んで財務省解体論を唱える人や、それをRTしたりする人にはよほど注意した方がいいと思う。こういう話を流す出元からすると、本気で財務省を解体したいのではなくて、財務省に対する脅しとしてそういう話を出してきているだけとも普通に考えられるのであって、真顔でそれを受け取る人の気が知れない。

公文書の改竄の話で面白いのは、最初は朝日の報道に懐疑的、あるいは距離を置いたり嘲笑した人たちが、事態がはっきりした瞬間に手のひらを返したことがあると思う。

つまり、いかにいい加減なことを普段から言っているか、ネットのおしゃべりがいかにバカバカしいかが、明確になったのだった。

もちろん、「ネットのおしゃべりのバカバカしさ」については右翼も左翼も関係がなく、政治の話が好きな私自身も全く同じわけだが、その反省なく、財務省解体論に乗る人たちの気が知れない。

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私は最初はリフレ派の言うことを真面目に受け取って、その後日本銀行の言い分を自分なりに見て、そうしているうちにどんどんリフレ派がおかしくなっていくので、最後はリフレ派もリフレ論も敬遠するようになったクチだ。

だから、「安倍さんはやめても、リフレだけは続けてほしい」という意見には、同情はするが、まだ分からないのかな、と思う。実際のところ、日本銀行はもう出口に向けて少しずつ進んでいるようでもあり。

リフレ論のご本尊たちが次々と言うことを変えていって、副総裁になった岩田規久男は2年で結果が出なければ職を賭けると言いながら、結局責任をとらずに、任期を全うしてしまう。こんなバカな話があるかと思うし、これでもまだリフレだけは、と言えるのかと。

2018年03月

黒田日銀総裁は先日の会見で、期待の転換に「時間がかかっている」と言ったそうだが、2013年就任当初の会見では「市場・経済主体の期待を抜本的に転換させる効果も期待できる」と言っている。

つまり、期待の転換に失敗したことを認めているわけだけれども、ここからはドラめもんさんから引用。

まずはここが根本的に見込み違いだった、というか間違っていた、というべきなのですが、そりゃまあやってみないと分からない面があるから見込み違いくらいで勘弁してやるけど、元々QQEやる前から置物リフレ理論で期待が飴細工のように簡単に転換する訳ねえだろ、という批判はあったのに対して「世界標準の金融政策」とか言っていたのだからその辺は反省して黒田総裁は勘弁するとしてもリフレ一派は可及的速やかに天寿を全うして頂きたいものです。

としか言いようがなくなるわけだけれども、実際にリフレ派が反省することはなかったし、今でも開き直っている。

この辺の始末をきっちりつけないと、日本人はまた同じことをやるだろう。それでいいわけがない。

安倍さんが首相を辞めたとて、急に金融政策を変更できないはずで、しかも健全な民主主義より株価の方が大事ということなら本末転倒だ。

私がファシズムの話をここに書くのは、「健全な民主主義より株価が大事」「健全な民主主義より金儲け」という空気が気にくわないからだ。それと同種の空気が、100年前のファシズムの温床になったことを知っているからだ。カネと倫理のバランスが崩れるとろくなことにならない。

安倍さんは、第一次安倍内閣が倒れたのち、自分が住んでいるマンションの階段の登り降りをして、体力づくりからやり直したんだそうだ。その根性は買うし、だから長期政権にもなったんだろう。しかしいかんせん、根性以外のものがないので、周囲に人がいる場合はともかく、まもな人間がいない場合は本当にろくでもない。

リフレがその一例だし、(たぶん首相の答弁に合わせて)公文書を改竄したことに至っては、話にならない。