https://twitter.com/MyoyoShinnyo/status/922321799416647686

こなたま(CV:渡辺久美子)@MyoyoShinnyo
いいかい、もう一度言うよ。ふわっとした「みんしゅしゅぎでナチはえらばれたー」とかのうろ覚えでなくて、歴史的な事実から述べるよ。ファシズムを防ぎたいなら、経済をしっかりやりなさい。これが教訓だ

https://twitter.com/bn2islander/status/922435082257711104

bn2@bn2islander
「経済をしっかりやりなさい」もふわふわした主張ではあるんだよなあ(ブーメラン)

これは選挙で立憲民主党に投票したこなたまさんが、左派に対して経済政策が肝要なんだと叫んでいるわけで、基本的にはそれはそうだろうと思う。安全保障政策とか憲法あたりを対立点にするのは、70年安保の焼き直しでしかなくて、団塊世代の青春の思い出に付き合う以上の意味がない。

ただ、ドイツのナチズムの歴史について全く不勉強なんだが、経済が大きな要因であるには違いないにしても、いろいろ難しい問題があり、それだけではないということで大方の専門家の議論は一致しているんじゃないかと思う。つまり、経済問題は必要条件ではあるかもしれないが、十分条件では決してない。

たとえば第一次大戦直後のイタリアでは、左派が経済政策でなにもしなかったわけではなかった。労働組合に入っているブルーカラーの労働者のような人々を代表した社会党などは選挙権拡大に伴い勢力を伸長し、議会に相当の議席を持てるようになっており、それなりの影響力を行使していたし、第一次大戦後はストライキなどの労働争議が頻発し、資本家・企業家層も譲歩せざるを得なかった。

だから、当時の左派が無策だったわけではなく、事情はドイツでも似たようなものであるらしいが(この辺は不勉強)、むしろ労働者の地位向上に努力して、そこそこの成果を上げていた。

問題は、その果実を得たのが労働組合の組合員になるような労働者であって、それ以外の自営業者やサラリーマン、公務員などに恩恵が行きわたらなかったことにある。こういった人たちは中間層とされており、当人たちも工場労働者とは違うという意識ではいたものの、経済的にはむしろ不遇であって、下層のはずの工場労働者よりも所得が少なく生活が苦しいような人が多かった。

つまり、労働者サイドがそもそも一枚岩ではなく、分断されてしまっており、そのことに左派がよく注意しなかったことが問題だった。

結果的にこの中間層、あるいは下位の中間層の人たちは、社会党のような左派に幻滅し、むしろ右よりに傾き、ファシズムへと進むことになる。

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それ以外にも、ファシズム成立の要因としてはいろいろあるわけだけれども、しかし上のようなことだけでも、随分現在の日本について示唆的ではないかと思う。

ファシズムは、かなり特殊の条件が揃わないと成立しないので、今の日本ですぐにファシズムになるというようなことはあり得ない。ただ、ファシズムという補助線を引いてやるといろいろ分かりやすくなることは(あくまでも「ファシズムっぽい」という限度の範囲内でだけれども)、多々あるように思われる。