朝鮮半島危機を(敢えて)真に受けるように仕向けたもの

朝鮮半島危機がいまだ続いているといってもいいのかもしれないが、米国の動きはブラフにすぎないとかなり当初から言われていた。例えば、吉崎達彦の日記でも、
かんべえの不規則発言

<4月12日>(水)
○いろんな人から、「もうすぐ北朝鮮でドンパチ始まるんでしょ?アメリカは必ずやりますよね?」といった声を聴く。んなわけないっしょー。そんなことがあるのなら、とっくの昔に在韓アメリカ人の本国退去が始まってますよ。もっとも米軍家族の退去訓練は、7年ぶりに昨年11月にやってるんですけどね。

と書かれている。私も、可能性はゼロではないにしろかなり低く、よくできたプロレスだろうと思ったほうだ(なにせ、トランプはプロレスに出たことがあるし)。

ところが、トランプが送ったはずの「強力な艦隊」は、朝鮮半島ではなく、インド洋方面へと向かっていることが分かり、朝鮮半島情勢はにわかに落ち着きを取り戻しつつある、かのように見える。

さてここで思い出されるのは、安倍総理の、4月13日のあの発言である。

【北朝鮮情勢】安倍晋三首相「サリン弾頭の着弾能力を保有している可能性」 自衛隊のミサイル防衛の限界にも言及 - 産経ニュース

 安倍晋三首相は13日の参院外交防衛委員会で、北朝鮮について「(猛毒の)サリンを弾頭に付けて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と述べた。シリアのアサド政権が化学兵器であるサリンを使用したとの疑惑も引き合いに出し、北朝鮮の脅威に危機感を示した。自衛隊の現行のミサイル防衛(MD)態勢には限界があるとの認識も示した。

この発言は大きく取り上げられたが、問題の一つは「なぜここまで危機感を煽らねばならないか」ということだ。安倍総理の発言は、北朝鮮に対するブラフを支援するものではない。日本人に対する危機感を煽る働きしかない。

そこでこんな記事が今さら出た。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170420-00010004-houdouk-int&p=2

ということは、日本政府は「カール・ビンソンはしばらくこっちへは来ない」と知りながら、メディアがトランプのブラフに引っかかってやいのやいのと騒ぎ、国民も心配や不安を募らせていたことに対し、正しい情報を提供しようとはしなかったことになる。

だとしても、9日の「北へ向かえ」指令以降、10日間程度の政府の発言や対応は、ブラフと知りながらのものであった‥という観点から見直してみることも必要だ。

つまり、安倍総理はブラフと知りながら、北朝鮮に対するブラフではなく、日本人に対する危機感を煽るために上の発言をしたことになる。その真意はどこか。一つしかない。

大石英司の避難空港 (2017年04月21日発行) | 大石英司の避難空港 - メルマ!

※ 空母はまだ来ない‥と日本政府は知っていた?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170420-00010004-houdouk-int

 知ってるのは当たり前ですよ。米艦隊の動きは、海自は全部把握しているんだ
から。トランプ政権の無知につけ込んで、アレ政権は森友隠しに利用したんですよ。

さて、ここに燦然と輝く間抜けな発言があるので引いておきたい。4月5日の tweet である。 

https://twitter.com/kirik/status/849489778714259457

山本一郎(やまもといちろう)
北朝鮮は嫌いだが戦争は良くない。何か方法ないんだろうか?

Xevra Lindich‏
いよいよ戦争か。人類の敗北だ。日本も無事では済むまい。総員衝撃に備えよ! / “北朝鮮攻撃の日は近い?米国で崩れてきた前提とは 米中首脳会談は成果を出せるか | JBpress(日本ビジネスプレス)”
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49645

「いい方法」を考える前の段階ですでに話が終わっていた、ということだった。

つまり、この人周辺の人たちは、かくのごとく(またおそらくは意図的に)「森友隠し」に加担しているわけだ。