森友問題がなぜ総理の進退問題に直結するか、あるいは直結させなければならないか 

私が最初のブログを始めたころ、2005年に人権擁護法案が国会に提案されようかというときに、ネットで噴出した無茶苦茶な反対論に対してカウンターや疑問を投げかけたことがあった。森友問題を見ていて、つくづく嘆息せざるを得ない。今でも、次のような言説が、検索すると容易に見つかるんだが、

[mixi]人権擁護法案に断固反対しましょう。 - アンチ同和利権 | mixiコミュニティ

要は、同和利権と在日利権を更に拡大・温存するための悪魔の法案である。

支持者に極右を抱えていて、人権擁護法案反対運動とも絡んでいた安倍総理が現実にやっていることと比較するにつれ、頭を抱えざるを得ない。

・・・

維新の会の素性についてもう少しはっきり書いておく。

松井一郎という人についてはすでにふれた。
維新の会の素性と安倍総理の責任 - 今日の雑談

八尾出身で、父親は笹川良一と親しい極右で大阪府議会議長になった人で、競艇場の電気設備を独占している企業を経営していた人だ。ということはどういうことか。

まず間違いなく、その方面に対する利益誘導を、手段を選ばずやってきたに違いない人物だろうと思う。

役所内部の「忖度」とその責任の所在について、少し触れたが、
「忖度」を生じさせたものの責任 松井一郎の場合 - 今日の雑談

そりゃあ、恫喝でもなんでもやりかねない人物がいたら強制的に「忖度」をせざるを得ない。

ちなみに、橋下徹の出自と生い立ちについては周知のことだ。

これで、維新の会の「素性」が分からなければ、本当にどうしようもない。

そして、安倍総理大臣と稲田防衛大臣が、籠池との関係を否定したがっていたところをみると、この二人はその意味をよく承知しているのではないかと思われる。

・・・

ただし、この問題は関西ではごく身近にある問題であって、私もごくごく日常的に接している。また、人権擁護法案反対運動を否定してきた私は、アファーマティブ・アクションのようなものの必要性は重々認めている。

しかし、このような形で利益誘導するということは認められない。ヤクザが恐喝しているのと何が違うんだろうか。

安倍総理は、このような利益誘導に対して実質的にお墨付きを与えていたのであって、今回それが明るみにされた、というのが私の認識だ。

ネットを見ると、このような維新の会の問題は割に出てくるところであって、今に始まった話ではないようだが、全国メディアを通じて取り上げられたのは大変に珍しいことではないかと思う。

したがって、問題は、「日本会議内部の内輪もめ」ではないし、トンデモ首相夫人の言動の責任を首相がとるのかという話ではない。まして極右の指導や教育勅語が問題なのではない。断じてそうではない。問題はそこではない。

政党の形をとったそのようなグループと、一国の総理(あるいはきわめて有力な政治家)との癒着の問題ではないのか。

・・・

関東の人にこの話が通じないのはよく理解できる。日常的にそういう問題と接触することがないので、実感がわかないというのも分かる。今回、改めてその話の通じなさを感じているところでもある。

しかしだからといって、事態を軽く見ることはできない。右サイドが、左サイドを冷笑しながら党派的に安倍総理を擁護することは、とんでもない倫理感覚の欠如であると言わなければならない。

森友問題そのものはたいしたものではないかもしれないが、それだけ根の深い問題だということだけは、関東の人にも分かっていただきたいと切に願っている。

追記
ここまで、籠池泰典ノイホイこと菅野完の発言をほとんど引用しなかった。引用する必要性を感じなかったからだ。つまり、彼らの見解に依存してこれだけ書いているわけではないことを特に記しておく。