ネット○○派 part367

実にすがすがしいのは、僕が普段見ているところではリフレ派の香りがほとんどしないことで、もう完全に諸方面にスルーされてるかおちょくりのネタにしかなってないのがよく分かった。もうそれはそれは清々しいスルーぶりだ。


相手してるの、一般ピープルか、分かったような顔するインテリくらい。

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Bewaadさんの過去ログをちょっとまとめて読んでみた。印象的なところだけ引いてみる。2008年。
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20081022/p1

一般の「物価」の感覚は金融政策よりもはるかに需給によって左右される生鮮食料品やエネルギー価格を含む普通のCPIベースであると考えられ、端的には昨今はインフレであるとの認識が世間的には多数派でしょう。これに対してデフレだからと積極的な金融緩和に努めれば、おそらくは強い批判が出てくるはず。「マスコミその他、一向に強い批判を受けることはない」のは、監視の不在ゆえではなく、監視者の意向に沿った金融政策が行われているがゆえではないでしょうか。

結局のところ、世論の評価にしたがって運営されればよいということならば、中央銀行に独立性などいりません。中央銀行の独立性が必要とされるのは、その正統性の淵源が民主的コントロールではなく専門的コントロールにあるということなのですから、現状、批判が足りないとすれば、それは何よりも専門家による批判が足りないということではないかとwebmasterは思います。

2010年
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20100304/p1

非経済学者を相手とする対談本でスマッシュヒットを飛ばした飯田先生(略)が参画した、新たな非経済学者相手の対談本ということで期待して買ったのですが、正直に言えば期待はかなりの程度裏切られました。

その1。日銀がリフレ政策を採用しない理由として、二流官庁云々とか天下り云々とか、「人格攻撃」に類する話を持ち出しているのは、非経済学者を相手とした対談本形式で、これまでリフレ政策に関心のなかった層を取り込む役割を果たす書としては、瑕といってよいでしょう。(略)説得力を減らす方向にしか働きません。仲間内の飲み会を盛り上げるためのネタで出すならばともかく。

その2。本書に関して飯田先生ご自身のblogでは、(略)3種類があると分類した上で、

  • リフレ政策批判は強力なものに対して集中的に行われている、
  • 現時点で推奨するのはモデレートなものと標準的なものである、

と論じていらっしゃいます。しかし、本書において推奨される政策パッケージとは、強力なリフレ政策に他なりません

これらが足し合わさると、日銀総裁等の発言を変に深読みして陰謀論に走ってしまい、ますます説得力がなくなります。

実際のところ、飯田先生の見解としては、日本ではモデレートなリフレ政策や標準的なリフレ政策ですら採用されていないということになるのですが、webmasterの見解では逆で、標準的なリフレ政策までは実現されていたと考えています。(略)飯田先生(や植田元審議委員)が提唱するコアコアCPI2%(1%)以上を解除条件とするとのモデレートな政策は、かつての日銀の量的緩和策とはゴールの設定の差でしかないと考えるのが妥当でしょう。

このあたり、日本語で「インフレ目標」とか「ターゲット」とか言ったときに、言葉の中身がもうどうなってるのか分からなくなってて、どうにもならない。ただ、この種のものが言葉遊びになってしまっているのは各国中央銀行にも問題があるように見えて、英国はターゲットやってるはずだけど高インフレだからといって機械的に引き締めにかかってないとか、白川さんは英語だとGoalだけど日本語だと「目標」じゃなくて「目途」とわざわざ言う。そういう呼称の差に意味がある部分とない部分があるように見えるんだけど、で、リフレ派が求めているような「強力なリフレ政策」とか、たぶんどこもやってないんじゃないの、そういう風に見えるんだけども。

http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20100531/p1

残念ながら日本では、「専門知」「世間知」を問わず、日銀を擁護する声が多数派であるようです。それが現実だと認識することは、自分自身が日銀を擁護する意見であることとも、日銀のやってきたことは仕方がないと免罪することとも、イコールではありません。まずはそうした現実にしっかり向き合った上で、もっとも有効な対策を詰めていく、それこそがリフレ政策の実現に向けた道でしょうし、webmasterは(主観的には)今も昔も変わらず、そうした考えであれこれ駄文を公表してきているのです。

。。。まあ、現実には、リフレ派の経済学者wたちはネットでおしゃべりするかチャンネル桜に出るか、あるいはシノドスセミナーだメールマガジンだで語るか、本を買わせるかしかやってなかった。


日銀総裁人事政局のころから、リフレ派の日銀批判のおかしさに敏感に反応したBewaadさんは、ずっと、正しい日銀批判をしろと言っていただけのように見えるんだが、こういう人を切り捨てちゃったんだからなあ。。。