ネット○○派 part203

あのさ。読みようによるよね、これ。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1294765822#CID1295788367

74. NATROM ― January 23, 2011 @22:12:47
「患者個人の利害」と「集団の利害」の対立という視点も重要だと思います。(個人と集団の対立については、たとえば、「強い抗生剤使用によって患者は利益を得るが、耐性菌が増えて集団からしたら不利益」など)。ホメオパシーを使うことで患者個人は利益を得るが、「誤った認識」を広げたり「お墨付き」を与えたりすることで集団としては害が大きい場合には、医療者はどうすべきでしょう?ホメオパシーの場合は、集団の害の方が無視できないほど大きいので、医療の現場ではホメオパシーを使うべきではないと私は考えています。けれども、患者個人の利益を犠牲にしているのだということも忘れないでください。

若干軌道修正した感じ。


じゃ、集団と個人の利害を具体的に比較計量ができるかっていうと相当難しいだろうし、他の代替医療との比較をきちんとしなければならない。漢方薬・鍼・カイロプラクティック等々、全部。


無理でしょ。しかも、ホメオパシーでも過激なのはダメだけど、とか言い出したらきりがない。こういうことを簡単に言いすぎ。

しかし、現実は厳しいです。プラセボのほうのエントリーでも、たまさんが、『第一に「人員を増やしてもらう」事が必要なのではないでしょうか。でも、それは・・厳しい事です』と仰っています。昔と比較して医学は進歩していますが、医療に対する信頼や満足度はそれに比例していないように見えます。その理由の一つとして、医学の進歩についていくことでいっぱいいっぱいで、患者の要求に医師の対応が追い付いていないことがあると私は考えています。

知らんがな。もう完全に医療問題に踏み込んでしまっている。なら、財源どっから出すんだよ、みたいな話になって、ニセ科学批判と関係がない。


でもさ。消費税を上げようかって話になるとニセ科学批判の人たちは微妙になるんだよ。話にならん。

「切り分けるべきとことは切り分け」ている医師もいます。割り切って対応している場合もあるでしょうが、「医学のことだけで精一杯。よろず相談や宗教家の仕事はとてもしていられない」というのが現状でしょう。私が患者であればそれでいいし、kikulogで議論しているような皆さんも多くは理解していただけるでしょう。でも、それでは満足できない患者さまも多くいます。たとえば、いわゆる「がん難民」と言われている患者さんは、標準医療を提供する病院で酷い扱いを受けたと考えています。そういう人たちが代替医療に走るのではないでしょうか。

知らんがな。ニセ科学批判に忠実にしたがうなら、そんなもんは関係ない。ただの弱気な言い訳にしかなってない。根拠のないものを医者が利用するのは認められない。それ以上の議論は必要ない。当然だ。

http://twitter.com/NATROM/status/29327776389529600

それでも、規制した方が益が多いのであれば、規制を行う妥当性はある。しかし、規制に賛成するにしても(というか賛成するならなおのこと)、規制のデメリットに自覚的であるべきだ。ただ、「規制のデメリットに自覚的であるべきだ」というメッセージは、馬鹿に「規制は妥当でない」と誤解されうる。

集団において益が多いんだったらそちらを考えればよろしいのであって、そこで「切り捨てられる人」のことをわざわざ言い出すことになんか意味があるんですか?この場合はないでしょう?それともなに、ホメオパシーを信じる人利用する人がいるのは仕方がないよねって話になるの?それはニセ科学批判じゃない。自分の考えの揺らぎを「馬鹿」のせいにするかね、しかし。

・・・

ただし。


ただし、ニセ科学批判からはなれた場合に、この悩みは十分に理解できて、むしろお気の毒だと思う。こんな問題、ただの医者に背負わせておいていいという話じゃないはずで、ニセ科学批判が抱える矛盾を一人で背負ってしまっている形になっている。


解決は簡単。菊池先生が、NATROMさんが言っていることはニセ科学批判と関係ない、と宣言してしまえばそれで済む話だ。どうせやらないんだろうけど。この矛盾を放置してるの、菊池先生だからね。
追記
去年の懐疑主義者団体のヨーロッパ大会で代替療法が扱われてるのはここでも書いたけど、テーマの一つが”Dealing with the CAM propaganda internationally”だからね。そこで切り捨てられる人がいるとか、考えてるのか、こういう人たちって。いやー。
http://d.hatena.ne.jp/jura03/20100908/p1
http://www.szkeptikus.hu/14th-european-skeptic-congress/workshops