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テレビで、京都出身の松井孝治がコメントを求められて、辻元清美を差して、
「さっき控え室で悪口言ったら撃ち殺すって言われた、ひどい恫喝」
と半笑いで言ったのが話題になっとるんだが、こんな冗談で抑圧的だのなんだのいってたら、関西でコミュニケーションはまずとれない。
土地の方言よりはるかにマイルドな上方方言を使うように努めている、根が穏健な私も、ぶち殺したろか!くらい言って笑いをとることはある。私が住んでいる地域は柄が悪いので、これくらいの口の悪さがないと、気安い会話ができない。
問題はこういう冗談でなくて、もっと別の部分のはずだ。
森友問題がなんだったのか、維新の会がどういう団体か、その維新の会と今の内閣がつるむとはどういうことか。
こちらの方がはるかに問題で、人権擁護法案反対運動で、あれだけ被差別部落の団体の暴走を揶揄した右派が現状を容認していることが、私には皮肉なものにしか見えない。
この延長に、たとえば吉本興業が政府とがっちりつながっていて、首相が吉本新喜劇に出たりする異常があるわけで、京都と大阪の毒の吐き合いをナイーブに受け止めて左派批判するよりも大きな問題がある。
しかし、、、こういう愚かな右派のプロパガンダが出てきたあたり、芸能人の不倫騒ぎを含め、いよいよコロナ騒ぎは終わりということなのだろう。それ自体は慶賀すべきことだ。
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外交WEB | 世界の動きを見つめ、日本のビジョンを語る、国内唯一の外交専門誌。 内外の筆者が問題の核心を鋭く分析します。
押谷仁先生のインタビュー記事が少し前に話題になった。肝心なところがあまり引かれていない気がする。
このウイルスの特徴をつかんでからは、感染者数は一定レベルに抑えられると確信していました。一方で死者数については、当初は一〇〇人に抑えることを目標にしていましたが、これは予想を超えてしまいました。いまは一〇〇〇人以内に抑えられるよう努力を続けています。
ヨーロッパとまるで次元の違う話をしていて、私が一番仰天したはこの部分。死者100人にするつもりだったけど、1000人になりそうですごめんなさいって、欧米の人間に言うと殴られるな。
逆に言うと、その程度のものだろうというのは早い段階で予想がついていたわけで、じゃ、「何もしなけりゃ死者42万人」って言い出したのはなんで?としか言いようがなくなる。
結局、世論並みの政治しかできない、ということなんだろうか。
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「医クラ」とか言って医者を一くくりにしない方がよい。アホもいるし、賢い人もいるし。
たいていの医者はtwitterで遊ぶほど暇じゃないはずなんだがそれはともかく、私たちが見物させられている光景は単に醜悪なだけで、医者同士の付き合いが嫌いな医者も少なくない。
いろんな先生がいるから。もっとも、まともな頭のセンセを探す方が難しかろうが。
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帰国したイタリア人に「そっちの様子はどうだ」と聞いてみた。
彼のいる街は、もう1月とほとんど変わらなくなっていて、ハグもキスもやっている。
小包の受け取りに郵便局まで行かなきゃならないが、そこでまた行列ができてるし。
違うのはたとえばスーパーでは手袋をさせられるなどらしいが、マスクも一週間も10日も同じものを付けてる。イタリア人はみんなBAKA。
「いや、でも日本人も同じのつけてるよ。使った後で消毒するでしょ」
消毒はしないんだよ!こりゃダメだ!
政府からのお金なんてまだ来ない。どうせどっかでまた盛大にネコババしたんだ。云々
ま、一人だけなので、もうちょっと機会があったら他の人たちはどうか聞きたい。
それに、こういう雰囲気はイタリアだけでもなくて、もうヨーロッパはどこもこんな感じになっちゃってるんじゃないかと想像するんだけれども、どうなんだろうか。
ただし、こういう意識の低さが感染の拡大を進めたことは間違いないだろうが、これだけで死者の数があれだけ爆発的に増えるとも思えない。
これは判断保留する態度の方が、よほど科学的だろう。
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英国人の数理疫学者とやりとりしていても、数理疫学というのは使い方が難しい学問だなぁと思う。
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だから問題は、なぜあのタイミングだったのか、なぜああいう脅迫をする必要があの段階であったのか、が一つある。
で、おそらく政府はピークは3月末から4月頭に越していた可能性が高いことをすでに知っていたはずだという推論が、前提。
というのも、実行再生産数が出てくるのにそんな何週間もかからないはずで、現に欧州のニュースを見ていると「Rt が上がってきたから注意!」とかやってるわけで。
だから、ピークを越したのを知りながら緊急事態宣言を出したのはなぜか、何も対策を施さない場合のシミュレーションの数字を出して脅迫したのはなぜか、を問うことには意味がある。
でも、議事録がないんでしょう?2年くらいしたら、記録がありましたとか言って出してこないとダメだよな。検証ができない。
ちなみに、緊急事態宣言を出したおかげで医療体制の整備が進んだという話があって、まあそれはそうなのかなと思うけど、でもそれって本当は宣言がなくてもやらなきゃいけない話のはずでしょう?
このあたりの一連の流れは、今後のために検証する必要は絶対にある。緊急事態宣言は不要だったかもしれない、42万人死ぬかもという脅迫は本当に必要だったのか、しつこく問うていったほうがいいと思う。
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久しぶりに英国人の数理疫学者と連絡をとった。
新型コロナウィルス絡みでちょいと評判になった論文を最近出した彼は、なぜ欧米がああいうことになったのか、説明してくれた。
アジア人にアウトブレイクはコントロールできないよというあなどり、対応の遅れ、マスク忌避、政府に従わないアホ等々。
ようはすでによく言われていることであって、私も、東京がイタリアやニューヨークになると叫ばれていた時に、前提となる状況が違いすぎる、ということは以前書いた。
日本は1月末から対応して、役所や保健所が頑張っていた。マスクも早い時期にほとんど義務的につけられていた。
いわゆる「三密」や8割の感染者は他人にうつさないことなどを見つけたのは日本のクラスター対策班の功績だと思うが、これらのことはそれこそ欧米では今ごろになって新聞で「発見」として報じられている始末であって、まるで日本と違う。
ただ、これらは重要な要素であっても全てではないはずで、尾身先生が言うような「国民の衛生意識」が日本で死者を抑制できた原因として本当に大きなものなのかどうか、私には納得がいかないし、ましてや「運がよかった」なんぞと専門家が言っているのを見るとさすがにそれはどうなのかと思う。
緊急事態宣言の前がピークだったというグラフは私にとってはある種、衝撃だった。というのも、イタリアを見ていると、ロックダウンしてからピークはまだかまだかという調子で、ピークを越えると「やっと!」という様子が感じられたため、日本で緊急事態宣言の前がピークだったのは肩透かしもいいところ、この落差は一体何なのかと思わざるを得ない。
なので、「緊急事態宣言に何の意味があったのか」という声が出てくるのはむしろ当然で、これにきちんと応える必要があるだろうし、やらないといけない。
ただし、日本の何が良かったのか、ちゃんと説明できる話を聞きたいのだけれども、いまのところ確たる話はどこにもなさそうだ。なので、研究者の人たちは大いに頑張って欲しいとしか言いようがない。